FX口座開設のときに「パスポートは使える」と聞くことがあります。一方で、「2020年以降のパスポートは住所がないので使えない」という話も聞きます。実際にはどうなのか、よく分からない人も多くいます。
結論:パスポートは本人確認書類として使えます。ただし、2020年以降に取得したパスポートは住所記載欄がないため、別途現住所確認書類(住民票など)が必須になります。国内にいる多くの人は、マイナンバーカードや運転免許証の方が手続きが簡単です。
- 本人確認書類として有効(顔写真・生年月日がある)
- 2020年以降のパスポートは住所記載なし
- 有効期限の確認が重要
- 海外転出者や国際利用がある人向け
パスポートの活用場面 早見表
| パスポートの特徴 | 本人確認 | 住所確認 | 対応会社 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年以前取得・住所記載あり | OK | OK | 全社 | そのまま使える |
| 2020年以降取得・住所記載なし | OK | 不可 | 全社 | 住民票が必須 |
| 有効期限切れ | 不可 | 不可 | — | 使用できない |
| 古い住所が記載されている | OK | 要補完 | 全社 | 住民票で補完 |
パスポートが本人確認書類として使える理由
金融庁が定める犯罪収益移転防止法第6条第1項では、本人確認に求められる要件は「顔写真付き」と「生年月日が明記」されていることです。
パスポートには顔写真があり、生年月日が記載されています。さらに、国際身分証として、最も信頼性が高い書類の一つです。そのため、日本国内のFX会社でも本人確認書類として認められています。
警察庁の犯罪収益移転防止ガイドラインでも、パスポートは本人確認書類として明示されています。
2020年以降のパスポートで住所記載欄がない理由
2020年以月に日本のパスポートが改版されました。新しいパスポート(旅券)では、住所記載欄が削除されました。
理由としては:
- 住所変更に対応しやすくする:引っ越しの度にパスポートを作り直す必要がなくなった
- プライバシー保護:多くの人が見るドキュメント(パスポート)に住所を記載しないようにした
- 国際化に対応:外務省のパスポート制度でも、国際基準では、パスポートに住所を記載する国の方が少ないと述べられています
そのため、2020年以降のパスポートを本人確認書類として使う場合、別途「現住所確認書類」が必須になります。
FX会社別でのパスポートの扱い
| FX会社 | 本人確認 | 住所確認 | 備考 |
|---|---|---|---|
| DMM FX | OK | 住民票必須(2020年以降) | eKYC対応 |
| SBI FXトレード | OK | 住民票必須(2020年以降) | eKYC対応 |
| GMOクリック証券 | OK | 公共料金推奨 | eKYC対応 |
| みんなのFX | OK | 住民票必須(2020年以降) | eKYC対応 |
| OANDA | OK | 住民票推奨 | eKYC対応 |
全てのFX会社で、パスポートは本人確認書類として認められています。
パスポートの種類と有効期限
| パスポート種別 | 有効期限 | 取得可能年齢 | FX口座開設での使用 |
|---|---|---|---|
| 一般パスポート(10年) | 10年 | 18歳以上 | OK |
| 一般パスポート(5年) | 5年 | 全年齢 | OK(未成年は親の同意必要) |
| 公用パスポート | 5年 | 公務員のみ | 原則不可(要相談) |
FX口座開設では、一般パスポート(10年または5年)が対象です。
2020年以前と以降のパスポートの見分け方
2020年以前のパスポート(住所記載あり)
- 右下に「現住所」欄がある
- 英語で「address」と記載
- 日本の住所と郵便番号が明記されている
- 引っ越すたびに欄を更新できた
この場合は、住民票がなくても、パスポート1冊で本人確認と住所確認が同時に完結します。
2020年以降のパスポート(住所記載なし)
- 右下に住所欄がない
- パスポートに記載されているのは「氏名、生年月日、性別、発行日、有効期限」のみ
- 住所の記載がないため、別途現住所確認が必須
この場合、FX会社に申し込むときは「パスポート + 住民票」の組み合わせが必須になります。
パスポートを使う場合の注意点
有効期限の確認は必須
パスポートに記載されている「有効期限」を確認してください。期限切れのパスポートは使えません。
有効期限は表紙の最後のページや顔写真下部に記載されています。
発行国は日本に限定(外国パスポートは不可)
金融庁の規定では、日本国パスポートのみが対象です。外国籍の人の外国パスポートは、在留カードと組み合わせて使用します。
詳しくは「外国籍の人のFX口座開設」を参照ください。
パスポート番号は個人情報(スクリーンショット時は注意)
パスポート番号は個人情報です。SNSにアップロードしたり、他人に見せたりしないよう注意してください。
FX会社への提出時も、番号が見えるようにスマホで撮影する必要がありますが、その画像は提出後、安全に保管・削除することをお勧めします。
パスポートで本人確認する場合の流れ
パターン1:2020年以前のパスポート(住所記載あり)の場合
- パスポートで本人確認
- 同じパスポートで住所確認(住所欄を確認)
- 審査進行
手続きが最もシンプルです。
パターン2:2020年以降のパスポート(住所記載なし)の場合
- パスポートで本人確認
- 住民票を別途取得
- パスポート + 住民票で申し込み
- 審査進行
住民票取得に時間がかかるため、計画的に進める必要があります。
パターン3:パスポートの住所が古い場合(転居後)
- パスポートで本人確認
- 住民票で現住所を証明
- パスポート + 住民票で申し込み
- 審査進行
パスポートの住所更新手続きより、住民票で対応する方が簡単です。
パスポートよりも手続きが簡単な書類
多くの人にとっては、パスポートよりも以下の書類の方がFX口座開設では使いやすいです。
マイナンバーカード(最も推奨)
- 顔写真付き
- 生年月日記載
- 住所記載(更新されている)
- 本人確認とマイナンバー確認が一気に済む
詳しくは「マイナンバーカードでのFX口座開設」を参照ください。
運転免許証
- 顔写真付き
- 生年月日記載
- 住所記載
- 身近でパスポートより定期的に更新される
詳しくは「運転免許証でのFX口座開設」を参照ください。
よくある質問
Q. パスポートはFX口座開設に使える?
使えます。顔写真と生年月日があるため、本人確認書類として有効です。ただし、2020年以降のパスポートの場合、住民票が別途必須です。
Q. 期限切れのパスポートは使える?
使えません。有効期限内のパスポートのみが対象です。期限切れの場合は、パスポート更新手続きが必要です。
Q. パスポートと健康保険証の組み合わせで申し込める?
パスポート(本人確認) + 健康保険証(住所確認)では、多くの会社は受け付けません。住民票での補完が標準です。健康保険証は有効期限が短く、住所更新が遅れやすいためです。
Q. パスポートの番号を見せても大丈夫?
FX会社への提出時は見せる必要があります。ただし、SNSや他人との共有は避けてください。個人情報保護の観点から、パスポート画像は提出後、スマホから削除することをお勧めします。
Q. 古いパスポートと新しいパスポートを両方持っているが、古い方を使える?
古いパスポート(期限切れ)は使えません。有効期限内のパスポートのみが対象です。
ただし、古いパスポートから新しいパスポートへの切り替わり期間(両方有効な時期)があります。その場合は、有効期限内なら古い方でも新しい方でも使用可能です。
Q. パスポートを紛失した場合、どうすればいい?
パスポート再発行手続きが必要です。ただし、FX口座開設を急いでいるなら、マイナンバーカードや運転免許証がある場合は、そちらで申し込む方が早いです。
Q. パスポートの更新(切り替え)中にFX口座を申し込める?
古いパスポートが有効期限内で、新しいパスポート取得待ちの状態なら、古い方で申し込めます。ただし、有効期限切れになった場合は使えなくなります。
Q. 外国籍でも、日本国パスポートは使える?
外国籍の人は、日本国パスポートを取得できません。代わりに、自国のパスポートと在留カードの組み合わせが対象です。
Q. パスポートで申し込んだ場合、後から運転免許証に変更できる?
一度申し込んだ後は、通常は書類の変更はできません。審査で問題が生じた場合のみ、別途対応の相談ができます。
申し込み前に、使う書類を確定させることをお勧めします。
Q. パスポートのコピーでなく、スマホ撮影で申し込める?
できます。ほぼ全てのFX会社で、スマホ撮影したパスポート画像のアップロードで対応できます。eKYCの場合は、リアルタイムで顔とパスポートの照合が行われます。
Q. パスポートで審査が通りやすくなる?
いいえ。本人確認書類の種類(パスポート、運転免許証、マイナンバーカード等)によって審査難度は変わりません。審査では年収、金融資産、投資経験などが見られます。
Q. パスポートの住所欄を手書きで更新できる?
2020年以前のパスポートでは、住所欄に手書き更新ができました。ただし、その更新が認められるかはFX会社の判断によります。
新しいパスポート(2020年以降)では、住所欄がないため、この問題は生じません。
Q. デジタルパスポートが発行されたら、FX口座開設に使える?
デジタルパスポートはまだ日本で発行されていません(2026年時点)。発行開始後は、各FX会社の対応状況を確認する必要があります。当面は、紙のパスポートでの申し込みが主流です。
Q. パスポートの申請から取得までどのくらい時間がかかる?
通常の申請で1〜2週間、郵送申請では2〜3週間かかります。FX口座開設を急いでいるなら、マイナンバーカードなど、既に持っている書類での申し込みを検討した方が早いです。
Q. パスポートと住民票を両方スマホで撮影するときの順序は?
決まった順序はありませんが、申し込み画面の指示に従ってください。通常は、本人確認書類(パスポート)→ 現住所確認書類(住民票)の順で撮影を求める会社が多いです。
ケース別:パスポートの実際の使われ方
ケースA:海外赴任前にFX口座を作りたい場合
- 日本にいる間に、パスポートで申し込み
- 住民票で現住所確認(2020年以降のパスポートの場合)
- 開設後、海外赴任先から取引開始
パスポートは国際身分証として最強なので、この用途に最適です。
ケースB:マイナンバーカードがまだ届いていない場合
複数書類が必要になりますが、対応可能です。
ケースC:運転免許証を持っていない場合
- パスポートで本人確認
- 住民票で住所確認
- パスポート + 住民票で申し込み
国内の利用だけなら、この組み合わせで十分です。
チェックリスト:パスポートでFX口座を申し込む前に
- パスポートの有効期限を確認した
- 2020年以前か以降かを確認した
- 2020年以降の場合、住民票の取得準備をしている
- パスポートの顔写真欄がはっきり見える状態か確認した
- パスポート番号などの個人情報管理に注意する
- 申し込むFX会社がパスポートでの申し込みに対応しているか確認した
まとめ:パスポートはFX口座開設に使える
- パスポートは本人確認書類として有効(顔写真・生年月日がある)
- 2020年以前なら、住民票がなくても使用可能
- 2020年以降なら、住民票が必須
- 有効期限内であることを確認
- 多くの人には、マイナンバーカードや運転免許証の方が手続きが簡単
パスポートは国際身分証として最も信頼性が高く、海外赴任前や海外利用を想定している人に向いています。
詳しくは「FX口座開設に必要なもの一覧」も参照ください。